ソルティライムシャーベット

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螺旋時空のラビリンス 読みました

螺旋時空のラビリンス (集英社オレンジ文庫)

螺旋時空のラビリンス (集英社オレンジ文庫)

SFモノ。ループモノのラノベで間違いなく傑作になる作品だと感じる。この作品の良いところは、ともかく説得力がある。凄くシーンを読ませられる。しっくりきてしまう。納得してしまう。そんな説得力。悲しかったり。嬉しかったり。そういったシーン毎の色がハッキリと明確に分かる。鮮やかだったり淀んでたり。

その説得力は作者の知識から来るものかもしれない。知れないというのは、私が知らないから。世界史を。パリを。

まず滅亡しかけてる世界で金持ち相手に過去にタイムトラベルをして、お宝を盗むっていう設定。破茶滅茶じゃない。ソレをうむ。と有無を言わさず物語に腰を据えさせる説得力。そんなめちゃくちゃなのに言っちゃうのよ。

ソレを伏線だったんだぁとしみじみとさせてくれる丁寧さ。

ループする毎に同じ時代に増えてく主人公のドッペルゲンガー。主人公だらけの仮面舞踏会のシーンは、諦めとか絶望とか凄く黒く淀んだ色が見えるのよ。

逆に主人公たちが反撃をして大切な、忘れられない事を思い出し、ハッキリ言って少しダサっ!て感じるくらいのハッピーエンドは、淡いパステルカラーな黄色い輝きみてえなものを感じるのよ。

物語に色々な色を見せてくれる。カラフルって言ったらこの作品の淀んだモノを表現する言い方じゃない。こうごちゃ混ぜになったと言うか。コーヒーにミルクを入れてかき混ぜ切らないあの黒の中に薄い白が数本なって。ソレが完璧に混ざり切る感覚。

そんな感じが私にとって、とても楽しい感じ。良かったです。