ソルティライムシャーベット

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長嶋有 三の隣は五号室 紡がれていく、それぞれの日常

三の隣は五号室

三の隣は五号室

もう長嶋有に対してはかなり憧れに近い感情がある。こんな文章を書けたらと。自分は小説は書かないけれどもある。とゆーかエッセイを読んだときはガチ憧れてる。素晴らしい一冊でした。

ボロアポートに住む歴代の住人達の物語。そこには紡がれていくものがあったり、あるいは個々の人の匂いがある。紡がれていない個々の匂いもある。紡がれていくモノは次の人にはほんの些細なものであって決して繋がれていくわけじゃない。その縦に紡がれていく弱い繋がりみたいな匂いみたいなものに心ときめく。そして個々の時代に住む各住人達の横のドラマ。あー本当に好きだなぁ。本当に素晴らしいなぁ。ボロアポートの足跡が美しい時もありゃおかしみとかセンチとか懐かしさとかドラマチックとか。長嶋有の優しい文章で紡いでいくのがとてもサイコーです。たまにおかしみを感じたりやけにマニアックだったりそんな文章が心に響きます。中にはスリルがある悲しみの展開もあるのも素晴らしい。何気ない、いや当人たちにとってはどーでもよかったりあるいは嬉しかったりとかバラバラの気持でボロアポートに住んでいる。のだけれどもそれを繋げていくこの物語はとてもドラマチックなんですよ。本当に最高でした。