ソルティライムシャーベット

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友達いらない同盟 壊れそうなくらい鳴り止まないキリングミー

友達いらない同盟 (講談社ラノベ文庫)

友達いらない同盟 (講談社ラノベ文庫)

凄え新人が来たもんだ。凄え作品が来たもんだ。16年度が終わり今年の面白いヤツも大抵出揃ったと思っていたが、最後の最後の12月。まさかここまで自分を揺さぶる超ド級の新作が出るとは、そんなん全然分かりません!!最高です。最高ですから読むべきです。読むべき最高なモノはコレ。コレを読まずに終わらなくてよかった16年。すんばらしい技巧派よ。

以下、感情の赴くままに魅力を書き殴りましょう。そうしましょう。そうすべきなんだな。

まず読み終わったばかりだからアレだけど、ラスト。こんな説得力のあるラスト。すんごいから。そいつに殺されても仕方ないと思える人間こそが友達と定義する主人公。そして孤立していたんだけれど、ある日コレまた孤立してるクラスメートの女の子澄田と友達いらない人間同士で同盟を組む事で物語が始まる。まぁ主人公が上記ポリシーで友達作らないからエンディングで起こす主人公のアクション。それってつまりおまえさぁ、認めてるじゃん、澄田を友達って。大切な人って。素晴らしい。ホントに素晴らしいよ。そのエンディングに辿り着くまで積み重ねた登場人物の心情や関係や感性。何を考えてるのかわからん澄田が最終的に吐露する感情からの主人公のアクション。主人公の友人であるスベテとの過去やらクラスメートのハブられた女の子と良い感じな関係になる展開。全ての展開の果てを左は添えるだけとばかりに綺麗に置きに来た。物語の構成。果てしなく大絶賛させて頂きます。あんたはスゴくカッコイイ!!

んでもって物語の読み始めも無機質な文体にキャラの不自然の無い会話。そこにハッとするようなモノも散りばめられてる。特に作中、主人公とヒロインの澄田が特異なキャラであるけれど、高校デビューしたけだあえなく失敗し、主人公たちとアレよコレよと関わる事になる城ケ崎。彼女のフラットな目線が物語にすんばらしくよく働いてる。いや恥ずかしいじゃんとか何とかとか自然な会話の中にハッとさせるモノを溶け込ます。上手すぎる。美味すぎる。ごっちゃんです。って感じ。彼女のスクールカーストの落ちっぷりや主人公達と関わりどう変わっていくのか、そんな彼女がどうラストの展開で振る舞ったのかコレもめちゃんこ良い。良い説得力。

ほんで次は主人公の過去の諸々。まず主人公の後輩で何故かひきこもりになってしまったユウキ。このキャラが何故ひきこもりへとなってしまったのか?それがどう物語へと関わりを持っていくのか?ってところでミステリ風味なところも楽しめるのも良い。とても良い。ただ惜しい点としてユウキを最初のカラー口絵で描いた事。筆者はこのキャラの存在をミステリ仕立てで描く事を明らかに狙ってたのにアレじゃもう回答言ってるようなもん。イヤアレがなくても読んできゃ分かるし、そこがメインの狙いでは無い事も理解できるが少しそういう風にしたのが誰のやった事だか分かりゃせんが、間違いなく混じりっけなくミステイクでしょ、アレ。

またもう一人主人公の友人であるスベテ。彼との関係や過去の経緯も主人公の魅力やポリシーを形作るのにめちゃんこ効いてる。余談だけれど、彼との球技大会のバスケシーンもフツーに面白かった。高校へ進学しないと言っていた主人公に対するスベテのアクション。コレがまたサラリとしてるけれど流されないすんごい重要な存在感。健康エコナか馬鹿野郎この野郎。

主人公とヒロイン澄田のキャラができるまでの過去もこの物語の少し退廃?として雰囲気を作るのによくやってた。そのねぇ過去のエピソードの出すタイミングもコレまた絶妙。澄田の心情や過去の話も物語の中盤に入れて来るんだけど、おおぉこのタイミングがこのど真ん中で入れてくんかいと思ってたけれど、最高まで辿り着くとアソコだったなアソコで入れたの大正解だったな。物語の組み立て方の技巧さが光る。同じく主人公の過去の諸々も。

上でもチラッと書いたが無機質な語り口の文章がこの物語の雰囲気とすんごいジャストANDフィット。物語のエピソードの入れ方も絶妙。ラストに辿り着くまでの積み重ねたエピソードが感動を呼ぶ。私の中じゃ、間違いのない間違いがあっちゃならない。絶対なんて絶対ない。死にたい人間とキリングミーと
叫ぶ人間とたったひとつの冴えたかどうかは分かりゃせん。繰り返すが絶対なんて絶対ない。けれど。

この作品は絶対超ド級の傑作と自信をもって叫びたい。そんな魅力ある物語でした。超絶オススメ。