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ソルティライムシャーベット

小説とかライトノベルとか漫画とか邦楽とかの感想とか

佐藤哲也 シンドローム ボンクラ自意識SOS

福音館書店 ☆☆☆☆☆

シンドローム (ボクラノSFシリーズ)

シンドローム (ボクラノSFシリーズ)

あまりに読書に夢中になりすぎてて、読み終わった時すんごい面白かったあ!良かったあ!と同時に腹ぺこんぺこンになっててとりあえずカロリーメイトを三本ぶっこんで。そして腹を満たす。超傑作ですわ。

始まりはド嬢三巻で何回も紹介されて、その紹介されてる内容もめちゃんこ自分好きそうで買おうとしたらAmazonに無かった。リアル本屋も何軒かハシゴしたがどこにも無かった。というかそもそもこの本がどこの棚に陳列されてるのか皆目見当がつかない。児童書を多く取り扱ってる出版社らしいから、普段そんな棚にいかないけれども。それでも。探せどない。

んで海外ヤングアダルト小説について面白い本を知りたいと思いYAブックガイドと購入した時にふと思い出してシンドロームを調べてたら入荷されてたんで即購入。んでYAブックガイドに本作が紹介されてたんでこりゃ今日に読むしかないデスティニーだわと思い手につけたらゲロ出るくらい面白く。夢中になって読み切る。YAブックガイドはザラッと目を通して何点か思うところがあったので、別途ブログに書こうと思います。


さて話が脱線してきたんでこの作品の感想に戻ろうと思うけれど。繰り返すけれど超傑作。そしてド嬢で語られていた事がこの作品の魅力の肝だと思うんで、私が改めて語る事もないかなぁとも思ってしまっている。ド嬢読もう!本が読みたくなりまっせ。

この作品はなんといってもある日空から謎の物体が街に降り注ぐ。それから始まる不穏な影。だけれども主人公はボンクラ男。街に忍び寄る不穏よりも好きな女の子の事に脳みそ持ってかれちゃう。


こいつめんどくせいしやかましいなってくらいボンクラな主人公の自意識を載せて物語が進んでいく。煩悩は本能。街の危機より好きな子とそれにちょっかい出すヤローのが気になるよ。

また物語の2/3くらいは少しずつ日々を追うごとに忍び寄る不穏なモノの正体が少しずつ少しずつ近づいていく。手探りで。その感じは最近の作品だとシンゴジラを思い出させる。(シンドロームの方が先に出版されてる。及び怪獣パニックのお約束的な展開なのかもしれないが私はそこのところは疎いので)。ゴジラ映画なのにゴジラはなかなか出ない。いやいや怪獣なんて滑稽っしょ。みたいな。みたいなところから残り1/3を駆け抜ける。

起きないで欲しい妄想であって欲しい。それよりも好きな女の子とステディな仲になりたいと日常に忍び寄る非日常に眼を背けられないけれど気づかないふりをする。ボンクラな自意識で波乗りしながら。からの突き落とし。事が怒ってからも嫉妬、羨望、自分への失望。人の死。非現実は否が応でも突きつけられる。けっこう、ガッコーの教師、生徒は統率とれてたからしっかりしてんじゃんと野暮な感想ものせて。絶望したって思春期は止まらない煩悩は終わらない。これがすんごい楽しい面白い。すんごい傑作ありがとう。

非日常のレールが続いてるけれども青春のほろ苦さはあるんよねで物語が〆られるんだけれどもその終わらせ方。あの空虚な感じがこっちの読後感の余韻にはこれでもかっていうほど色んな感情を詰め込ませてくる。お腹は空いた。腹が減ったら生きたい証。明日を生きよう。サイコーに楽しい読書でした。

後、イラストの使いかたもサイコーに良かったです。このイラストもこの物語を引き立てるものになってた。