ソルティライムシャーベット

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彩瀬まる やがて海へと届く 忘れられない痛みがあれど歩いていく

やがて海へと届く

やがて海へと届く

とてもとても面白くとてもとても心が動きました。感動した泣いたって言葉に繋がっていくとは思うのだけれども、それよりも深いさらに深いバショに来た作品だと思った。

彩瀬まるさんはあの人を蜘蛛を潰せないを潰せないを読んで、とても心にくるものがあって今回の作品もその読書体験の記憶が新しく購入。ちなみにあの人は蜘蛛を潰せないで一番心にきたのは、きちんと正しくあろうとした母親が兄夫婦と同居をする事により、自分の正しくあろうとした居場所を奪われただただ堕上に煎餅を貪りながらテレビを観てるシーン。あれ最高にくるからね。

今作の話に戻るけど、震災で親友を亡くした主人公の女性とその親友の彼女が彼女が残した私物、形見を捨てるところから始まる。

親友の死を忘れられない。忘れられない痛み。そんな痛みを乗り越えるためには忘れなければいけない?大切な人を忘れなければいけない?そんな葛藤がある。思い出される二人でいた大切な時間大切な想い出。

そして詳細はボカしてはいるが震災から懸命にまだ死ねないとまだ会わなくてはと逃げるシーン。

遺されたものと去ったもの物語が交互に物語は進む。そのどちらも心に残る痛みを含む。

また、親友の事で号泣する主人公と出会った2人の女子高生。2人に主人公が問う。片方が死んだらどうすると?親友を亡くした自分がどうすれば良いのかという想いをのせて。
その2人が決して軽く受け止めず真剣に出した答え。とても胸にきました。自分も東北大震災の時、被災をダイレクトに受けたところにいなくテレビ、ネットなどのメディアで連日その事の情報が流れても他人事とまではいかなくてもその痛みを真に感じる事も、そして労わる事、嘆く事も出来なかった。だからこの2人が出した答えは、とても心にくるしそうだよそれなんだよと深く共感する事もできた。

また、主人公が親友を忘れる事ができない死に引張られようともしてた時に、自分の心の中で親友を見つける感じる事ができた場面も痛みを忘れなくたって親友を想い求め続けなくたって心の中にいると。死んだって失くさないものがあるんだって、とても自分の心の中に響きました。深く優しく。乗り越えなくたっていいじゃん。

あの人は蜘蛛を潰せないの時もそうだったのだけれどラストはフィクションが強めというべきかファンタジーが入るこむというべきなのかそういった終わりになるのだけれど違和感、戸惑いが入る事もなく爽やかを感じる事ができた。

大切な大切な作品に出会えた気がしてとても嬉しい読書体験でした。