ソルティライムシャーベット

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川上未映子 すべて真夜中の恋人たち 薄暗く晴れやかに

川上未映子の小説をこれ含め三、四冊くらいしか読んだことないんだが、その時読んだ感覚がどんよりしてていて薄暗い感じがどうも自分好きと全然バッティングせずに、正直あまり好きでないどちらかと言うと苦手な作家っていうイメージがあった。

だけれども本作も確かに全体的に薄暗さみたいなものを感じるのだけれども。何処と無く晴れやかな。真夜中にぼんやりと光る電灯みたいな薄い光を感じる物語で。正直、かなりがっつりとても面白いと感じました。サンキューヘブン。

まず主人公がこれまたアルチューなんだけれども、酒へ逃げてる際のぼんやりとした状態の際に擬音が多々でていて、ぶっちゃけけっこう暗めな話なのにアルチューである事でぼんやりと明るい印象を受けて。淡々とした物語なのに暖かいや優しいでは自分の感じたものとなんとなくどことなく違う気がするけれども、たぶん感じたのは暖かさや優しさみたいなんかな?とも思ってたりする。つまり言葉で自分は言い表せない。擬音で言うとふわっとな感覚。酒飲んでふわっと。そーいえばトルシエジャパンでフラットスリーって言葉を覚えた。

主人公のビジネスの相手?の聖。大切な仲。染められてく服装。染められていた事で最後のぶつかり嫉妬。とても好きです。

主人公が恋する相手三束さん。好きな人の好きなものに触れる。もっと相手の事を知りたい。繋がりたい。そんな主人公の恋する姿は、ときめきって言うほどきらきらしてはいなく野暮ったく薄暗くそんな中にアルチューになる事でふわっと明るくなってたのに代わり恋をする事で薄く薄く明るくなっていくのがとても大好きです。自分もときめきって言うきらきらした言葉を使う柄じゃないけれど、ときめくは。こんなメモリアル。そーいやときめも2のヒロイン光ちゃんだ。

ラストまで辿り着いてハッピーエンドとかあんまい感じは当然せず、かといってビターな恋愛とも言えない。けれども希望を感じる物語で終わったなぁととても心晴れやかです。そして抽象的ですが、川上未映子さんの言葉の紡ぎ方は、どこがどうだというわけではなくどことなくうっとりみたいな気分に浸れる。うっとり八兵衛。