ソルティライムシャーベット

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長い腕 川崎草志

長い腕 (角川文庫)

長い腕 (角川文庫)

ラスト30ページで評価が大逆転した。すげぇハラハラしたわ。
秋の夜長は読書とブログ

大まかなざっくばらんな粗筋として、ゲーム会社に勤めていた女性、主人公の島汐路が、同僚の心中を目撃する。そして汐路の過去と被るものが見られて、捜査する。そして、それは故郷の過去に起きた諸々に繋がっていく。みたいな話。

作者が、ゲーム会社の元社員であり、序盤は、ゲーム会社の薀蓄が煩わしい。(ゲーム会社の人は、本当に大変そうだなぁと内心思って読み進めた。)
作者の考えのネットリテラシーの考えを主人公に代弁させてるのが、正直ウザったい。
この二点は、正直読んでて、フラストレーション溜まった。

また、主人公の汐路は、過去の身内も災難もあってか、たくましい女性としての描写や台詞がみられた。
顕著な台詞として、「私は、100円ショップで売られてるような人生はわ送らない。」と「戦争が好き」といった感じの台詞だったと思う。この台詞をみて、かっけぇなと思った。
しかし、そんな強いたくましい女性として描いてた汐路も盗聴器のくだりで登場した、源田によって、力では、男には、敵わないといった感じで根本的な原始的な女性の弱さを描いて、今までの台詞が決して本人が強いというわけではなく、本当は、弱いだけど強くならなきゃと頑張ってるところに親近感を得た。

そういえば、この物語は、犯人的なポジションの人が狂ってるような形で描写されてるが、登場人物周りの人の行動が、常軌を逸してると思う。汐路は、もちろん、主人公の同僚の島や源田といった主人公サイドでも普通に犯罪行為をやってるし。
人の善悪なんて、人の見方を変えれば、変わっていくものってのを描いてるのかな?と個人的に読んでで、感じた。

だけど、一番面白かったのは、冒頭にも描いたがラスト30ページのハラハラ感。
黒幕の家に潜入した時の緊張感が半端ない。ここで、序盤の方の上記フラストレーションがイッキに吹き飛んだ。
また、物語の伏線もラストに向かって、加速して回収に向かったのも、読んでて気持ち良かった。

このラスト30ページの読後感のために、序盤を耐えて良かったと本当に思えた。